<花道家 上野雄次さん>
数年前に、而今禾西川さんに同行され
益子へ来て下さった事がある上野さん。
この春、西川さんと来て下さったときに、
花会の話やこちらで何をしましょうか、と話していると
とにかくお話がまっすぐでとても面白い。
お花や花いけのお話をされてはいるが、
内容は多くの方に通じる。
特に一つの物事に、真剣に向き合う仕事を生業にしている
玄人さんを前にお話をしてほしい、と思った。
そして、今週末にお話会が。
上野さんからも、今回のお話会に向けてのメッセージを頂いた。
◆◇◆
花が大好きだから 花を生けます という人がいる
私はそうではない
花が好きか? と聞かれたら毎回こう応える
好きかどうか分かりませんと
植物は我々人間にとって必要不可欠な存在である
その事は心の底から思う、
酸素を生み出し、食物となり地表に適度な湿度と日陰をもたらし
我々の命を支えてくれている
しかしながら、放っておくと我々の生活圏に土足で入りこんでくる
庭先の雑草や食べ物に付くカビ
幼少の頃床を突き抜けて生えてきた竹を見たとき恐怖さえ覚えた
人間が丸裸のまま熱帯雨林のジャングルに迷い込んだら
猛獣に襲われなくても簡単に命を落とすだろう
恐ろしい存在である
私は 花もしくは植物が好き と単純に一言では言えない
だから 花を生けている のかもしれない。
花道家 上野雄次
◆◇◆
花をいけるのは、人のため。
もちろん、花の命を頂くのだけれど、
この地球上で、植物と人間は共存している。
どちらもないと生きてはいけない。
人の為にも咲いてくれる草花、木々。
とても尊いもの。その尊さを伝えること。
そして、せめてそのカタチに共感してもらえること。
気持ちを豊かにすることがができれば。
草花が美しく咲いて、朽ちる前に、花を摘んで、いける。
美しいと共感する、それも地球のサイクル。
その豊かにおだやかになる気持ちがもしかしたら
平和にも繋がるのかもしれない。
そんなことを考えながら、今日も花をいける上野さん。
彼の声は、まっすぐだ。
嘘がない。そんな気がする。
ぜひ、皆様にも、お話を聴いて欲しいと思います。