郡司庸久さんの陶展が行われています。
二年前の秋にRECODEで行って頂いた以来の展覧会となります。
初日の10月31日は、益子の秋色陶器市の開催初日でもありました。
当日オープンよりたくさんのお客様に会場に足を運んで頂いております。
常設でも品数豊富にお取り扱いをさせて頂き、
普段からお客様のお手に取って頂く機会も多い郡司さんの作品。
定番となる半磁土の白い器や、飴釉のマグカップやカフェオレボウル、
同じく陶芸家で奥様の慶子さんと共同制作のスリップウエアなど
年々制作の幅が広がっている中で迎えた本展覧会。
会場にずらりと並んだ作品群、目に飛び込む印象の妙な色濃さにまず素直に驚きました。
今まで目にしてきた、丸みを帯びた独特なフォルム、或いはモチーフを象った細工のしごと、
得意とする鎬、面取りなどの技法、それらは一切姿を見せず、
そこには新たな挑戦のかたち、そのかたちから伝わる気迫が会場を漂っていました。



何度も試作を重ねた数種類の釉薬、あたたかな色合いと、
しっかりとした高台に立ち上がる胴、程好いやわらかさと力強さをあわせ持つ、
純粋なろくろのしごと。
それはつまり、和食器のベースでもある日常づかいの器。
今までを思い返すと、和を予感する作品にお目にかかったことが少なかったことに気がつきました。
今回の制作にあたり、新しいことに挑戦したいという思いの下、
それ以外に特別な心境の変化はなく、ひとつひとつが日々の積み重ねの末であると仰る郡司さん。
結果本展覧会のタイミングで、新たに前進した作品。
今回このような作品群に出合えて、大変うれしく感じました。



今年から制作を増やしている、様々なかたちの蓋物には
今までの積み重ねの延長線を感じられます。
残り二日となりましたが新たな一歩を肌で感じる本展覧会、皆さんのフィルターをとおして
どのように感じ得るかおたのしみながら、ご高覧くださると幸いです。
郡司庸久 陶展
ARK 2F ギャラリー遊星社
10/31(土)~11/8(土)