昨日より、ARKギャラリー遊星社で
鈴木稔さんの陶展が行われています。
STARNETでは初めての展覧会となる鈴木さんは、ここ益子にて作陶を行っていらっしゃいます。
実直に益子焼を学ばれ独立、益子の土と伝統的な釉薬を用い、
日々作陶に励み続け、行き着いたその先が型による成型と薪窯による焼成でした。
轆轤で感覚的に成型を行う仕事ではなく、石膏で緻密に型を作り、
整ったディテールを表現し、かつ仕上げの釉薬の施し方は大胆な鈴木さんの仕事。
完成したその外観の艶やかさは美しく、昔ながらの益子焼のイメージを一新。
糠青磁の釉薬と窯変による偶然の産物、同じものはふたつとしてありません。
浮き上がる斑点の文様が生み出す世界にぐぐぐと惹きこまれます。
ガス窯から薪窯による焼成に転じられてから、今期より皿や鉢類も積極的に作られています。
昨年の夏に北欧に渡り、現地の陶芸家との交流や様々な焼き物との出会い、
更にワークショップを行われたりと、新たな試みに挑まれ、そのご経験が今回の作品にも表れています。
こちらの作品もそのひとつ。
幅のあるリムと底へ繋がるゆるやかな曲線に流れ込む釉薬の動きに思わず目を奪われます。
平たい皿の場合、このような窯変の表情が出にくく、
理想にちかい作品を生み出すことは難しいのだそうですが、
今後も引き続き皿や鉢類の新しい作品を手掛けていきたいと仰っていました。
釉薬が変わるとこれだけ表情が異なります。
この片口の中になにを思い浮かべましたでしょうか?
そんな作品たちはテンポ良く鈴木さんの手から次々と生まれてくるように思えます。
湯呑みも然り、選ぶ楽しさが備わっています。
木々の葉も青々と深くなり、とても気持ちのいい季節です。
新進気鋭で目にも充実な展覧会、ぜひ、ご高覧ください!
鈴木稔 陶展
ARK 2F ギャラリー遊星社
5/23(土)~6/7(日)